侵略(小説現代ショートショートコンテスト没作)

 スルモ星人達は、新たな移住先を求めて宇宙を旅していた。

「あの青い星、なかなか住みやすそうだな。水も植物もあるみたいだし、気温もちょうどいい」

「ただ、こんなに好条件な星だと既に他の知的生命体が住んでいそうですね」

「その時は、皆殺しにすればいいさ。あの星を侵略してやろう」

 青い星に到着すると、スルモ星人達はUFOから戦車に乗り換えて、探索を始めた。

「空気がきれいだな。自然もすばらしい」

「船長、前方に生物が一匹出現しました。どうしましょうか?」

「大砲で殺してしまえ」

「了解です」

 戦車から大砲が発射されると、標的の胴体に命中した。手足をばたつかせながら、もがき苦しんでいる。

「大砲一発では死なぬか。なかなか生命力が強いな。ならば、これで楽にしてやろう。おい、レーザーを使え」

「了解です」

 戦車から赤いレーザービームが発射されると、標的の体は一瞬で消滅した。

「楽勝ですね」

「この調子で探索をしながら、のんびりと侵略を進めていくとするか」

 アリを一匹倒したスルモ星人達の、地球侵略は続く……。