１行ショートショート３１１～３２０
３１１私は傘になりたい
傘立てに置いてあった私の傘に、片思いの彼の傘が寄り添うようにして置かれた。
３１２片思いと片思い
彼と彼女は両思いなのに、二人はまだその事を知らない。
３１３梅雨
突然降ってきた大量の梅を拾うため、人々は傘を裏返しにしてそこに梅を溜めた。
３１４人刺し指
人差し指をひたすら鍛え続けた結果、ついに人の肉体を刺せるまでになった。
３１５チビでデブなお父さん
お父さん指。
３１６いっぱいのかけそば
「かけそばをいっぱいください」数分後、店員が大量のかけそばを持ってやってきた。
３１７ドライブスルー
片思いの女の子をラインでドライブに誘ったが、あっさり既読スル―された。
３１８片思いの生き霊
僕に片思いをしている女の生き霊に取り憑かれたらしく、何だか肩が重い。
３１９女性大臣の緊急会見
大地震発生後にテレビをつけてみると、見たことのない女性が会見をしていた。
３２０鈴虫の絶滅
鈴虫絶滅のニュースで沸いた日、音楽配信サイトで鈴虫の鳴き声が首位を獲得した。