爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【やめられないポテチ】
私はポテチが大好物だ。毎日ポテチを一袋食べないと気がすまない。そのため、私は太っていた。
中学生になった私は、同じクラスのタカシ君に恋をした。だけど、告白なんてできなかった。私はデブだから、どうせ振られるに決まっている。タカシ君に告白するため、ポテチをやめて痩せようとしたこともあった。だけどダメだった。毎日ポテチを一袋食べるという私の習慣は、想像以上に私の体に深く染み込んでしまっていた。しかし、どうしてもタカシ君を諦め切れなかった私は、高校、大学とタカシ君と同じ学校に通い続けた。
大学四年の春。タカシ君への片思い十年目に突入したこの頃、私は自分が痩せている事に気がついた。この十年間、相変わらず毎日ポテチを食べているにも関わらず、なぜ痩せたんだろう? そうか。きっと恋の神様が、私の背中を押してくれているんだわ。私はこうして、タカシ君に告白することを決意した。
「タカシ君、中学の頃からずっと好きでした。私と付き合ってください」
「ありがとう。僕で良かったら喜んで」
こうして、私の十年の片思いはついに実った。
彼女が痩せた理由が、お菓子会社が年々ポテチの中身をこっそり減らし続けているためだということを、彼女はまだ知らない。
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