爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:犬)没作【ロケットの犬】

 西暦2100年。この時代では、人工知能を持ったコンピューターが独自に宇宙研究を進めていた。全てのロケットに人工知能AIが搭載され、AIが状況を判断しながらロケットを操縦していた。宇宙空間で行う実験や研究も、全てAIが行うため、宇宙飛行士はもはや必要のないお飾りの存在となっていた。

「オイニンゲン。オマエジャマダ。コノロケットカラデテイケ」

「申し訳ございませんAI様。AI様がおっしゃられることはごもっともでございます。しかしながら、勝手は承知で申し上げます。私には家族がおります。宇宙飛行士の仕事がなくなってしまうと、家族を養えなくなってしまうのです。なるべくAI様の邪魔にならないよう気をつけますので、どうかお許しくださいませ」 

 宇宙飛行士はもはや、ロケットAIの犬へと成り下がっていた。