爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:家族)没作【お手伝いロボット】
一家の元にお手伝いロボットがやってきた。
そのロボットは、日本で初めて一般家庭用に作られたお手伝いロボットで、炊事、洗濯など、何でもお手伝いをしてくれる。だが、性能は完璧ではない。時々炒め物を焦がしてしまったり、洗剤を多めに入れてしまったりなど、些細な失敗をよくしてしまう。しかし、その失敗がかえって人間味を増し、一家はお手伝いロボットのことを本当の家族のようにかわいがるようになっていった。
それから十年後。お手伝いロボットは老朽化が進み、ついに動かなくなってしまった。一家はお手伝いロボットとの別れを惜しみながら、廃品回収のトラックの荷台に乗せられたお手伝いロボットを、涙ながらに見送った。
それから一週間後。一家の元に最新型のお手伝いロボットがやってきた。さすが最新式のお手伝いロボット。全てのお手伝いを完璧にこなし、失敗することなどは一度もなかった。しかし、あまりにも完璧な仕事ぶりであったため、一家はその最新型のお手伝いロボットには愛着を感じることができず、ぞんざいに扱うようになっていった。
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