爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【貧乳コンプレックス】
昔から貧乳がコンプレックスで、恋に奥手だった私は、アラサ—になった今でも恋愛経験がなかった。そんな私は、今日も行きつけの居酒屋のカウンターで、一人寂しく飲んでいた。厨房では、新入りのイケメン板前さんがまな板を洗っていた。はあー。私も一度でいいから、あんなイケメンと恋愛してみたかったなあ。
会計をすませ、店を出たその時、あのイケメン板前さんが私の元にやってきた。
「あなたのことが好きです。僕と付き合ってください」
「え? 私なんかでいいんですか?」
「はい。あなたがいいんです」
こうして、私に初めての彼氏ができた。
数日後。私は彼との初デートで、バーベキューをすることになった。二人で野菜を洗って、いよいよ切り始めようとしたその時、彼が突然声を上げた。
「あっ、いっけね」
「どうかしたの?」
「ごめん、ちょっとそこの椅子に仰向けで寝てもらってもいいかな?」
「うん。いいけど」
私は彼に言われるがまま、椅子の上に仰向けになった。
「実は、ちょっとまな板持ってくるのを忘れちゃったみたいで」
そう言うと彼は、私の胸の上で野菜を切り始めた。
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