安達弾~打率2割の1番バッター~ 第30章 もうすぐ夏の甲子園開幕②

 この抽選会では、1回戦に出場する34チームと、2回戦から出場する15チームが選ばれ、3回戦までのトーナメントの組み合わせが決定する。

 抽選のくじには、A1~A25、B1~B24と書かれており、A1~A17とB1~B17を引いたチームはそれぞれ同じ数字を引いたチーム同士が1回戦で当たり、A18~A24とB18~B24を引いたチームは2回戦で当たる。また、A25を引いたチームは、1回戦で対戦するA1とB1の勝った方と2回戦で当たることになる。
 
 最初にくじを引くのは、北海道代表の2チームと東京代表の2チーム。これは、同じ都道府県のチーム同士が1回戦で当たらないようにするための配慮である。

 北海道代表と東京代表の4チームの抽選を終えると、続けて予備抽選で決められた順番でそれぞれのチームのキャプテンがくじを引いていく。ちなみに、この日予備抽選で1番最初にくじを引くことになったのは、鈴井監督が最も警戒しているあの大阪西蔭高校だった。

「大阪西蔭高校、Aの2です」

(Aの2か。となると、1番引きたくないのは1回戦で当たってしまうBの2だな。2番に引きたくないのは、2回戦で当たる可能性が高いABの3。そして3番目に引きたくないのは、3回戦で当たる可能性の高いABの4か5。うちの抽選順は29番目だったな。理想を言えば、うちがくじを引く前にできるだけこの辺りのくじを先に他のチームに引いて欲しいところだが……)

 そんなことを願いながら抽選の行方を見守る鈴井監督。

「山形大星高校、Aの4です」

(よし!)

「松山西高校、Bの3です」

(よし!)

「高山学園高校、Bの4です」

(よし!)

「新潟文理高校、Aの3です」

(よっし! これでまずは、2回戦で大阪西蔭と当たる可能性はなくなったぞ)

 そのまま抽選は続いていき、船町北の1つ前のチームの抽選順がきた。

「山梨黒根高校、Bの2です」

(よっしゃー! これで最悪の1回戦で大阪西蔭と当たる可能性も0になった。あとは、3回戦で当たる可能性があるABの5を避けるのみ。残るくじは17枚だから、17分の15で避けられる。確率にすると、だいたい9割近く。これなら大丈夫だろ)

 そう高を括っている鈴井監督だが、果たして星が引くくじの番号はいかに。