絶品七草粥(東京新聞300文字小説没作)

 お正月といえば、お節料理やお餅の食べ過ぎて、胃腸に負担をかけてしまいがち。そんな胃腸を癒してくれるのが七草粥だ。セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草に、我が家では卵も加えてお粥を作る。

 1月7日の朝食。待ちに待った七草粥をいただく。レンゲにすくってフーフーしてから口に入れる。七草の風味と適度な塩加減、それを卵が優しく包み込んだ絶妙なハーモニーが口いっぱいに広がる。2口、3口とレンゲが進み、あっという間にお椀が空になる。まだまだ物足りない。

「お母さんお替り」

 この後も、私のレンゲは止まらない。結局3杯も七草粥を平らげた私は、七草粥の食べ過ぎでお腹を壊してしまった。