優柔不断(東京新聞300文字小説没作)

 会社の帰り道。駅に向かって歩いていると、急に雨が降ってきた。このまま濡れながら駅まで走って行くべきか、それともそこのカフェでコーヒーでも飲みながら雨がやむのを待つべきか。

 うーん。このくらいの雨なら、濡れても大丈夫そうかな。でも今風邪気味なんだよな。濡れたせいで風邪が悪化するのも嫌だし、やっぱり念のため雨がやむのを待つべきか。

 うーん悩むな。どうしよう。うーん……うーん……うーん……。

 よし決めた。駅まで走って行こう。

 その時すでに、雨はやんでいた。