よろしく(東京新聞300文字小説没作)
「お父さん、それじゃあそろそろ帰るわね」
「じゃあねおじいちゃん」
「そうか。寂しいのう」
「また近いうちに遊びに来るわよ。今回は仕事で来られなかった旦那も連れて家族三人でね」
「あっ、そうだそうだ。僕、パパに頼まれてることがあったんだった。ねえねえおじいちゃん」
「なんじゃ」
「よろしく!」
「えっ?」
「じゃあねバイバーイ」
「おっ、おう。バイバーイ。はて、よろしくとは一体何をじゃろうか?」
「ねえ、何でさっきおじいちゃんによろしくって言ってたの?」
「僕ね、パパに頼まれてたんだ。おじいちゃんによろしく言っといてねって」
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません