六色のランドセル(東京新聞300文字小説没作)
今年から小学生になる息子とランドセルを買いにやってきた。
「うーん、どれにしようかな?」
息子が立ち止まった売り場には、黒、青、水色、緑、茶色、銀色の6色のランドセルが置いてあった。私が子供の頃は黒と赤くらいしかなかったランドセルも、最近では色んな種類があるらしい。
「お父さん、決めたよ」
「何色にするんだ?」
「えーとね、一年生の時は黒で、二年生になったら青で、三年生になったら水色で、四年生になったら緑で、五年生になたら茶色で、六年生になったら銀色にする」
「おいおいちょっと待て! ランドセルは一個しか買わないぞ」
「えー!」
どうやら息子は、毎年違うランドセルを買ってもらえると勘違いしていたらしい。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません