猫騙しの達人(東京新聞300文字小説没作)
身長168センチ、体重80キロの小柄な力士である彼は、何とか十両まで昇進したものの、体格差から苦戦を強いられ、幕内に上がれずにいた。
そこで彼は、相手の目の前に両手を突き出して掌を合わせて叩く相撲の奇襲戦法である猫騙しを習得するため、猫千匹騙しの旅へと出掛けた。
猫カフェにいる猫から野良猫まで、様々な猫相手に猫騙しを繰り出すことで、ついに彼は究極の猫騙しを習得した。
彼は猫騙しを武器に勝ち星を重ね、ついに幕内へと昇格した。
しかし、幕内にいる強者の力士達には、彼の猫騙しは通用しなかった。
そこで彼は、猫騙しをさらに極めるため、ネコ科最強の動物ライオンが待つ、サバンナへと旅立った。
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