義理と本命(東京新聞300文字小説没作)
「なあ、お前今日チョコ何個もらった?」
「義理チョコが1つだけ。お前は?」
「俺も1つだけ。本命チョコだけど」
「え―マジかよ。本命って誰から?」
「鈴木さん」
「え? 俺が義理チョコもらったのも鈴木さんだよ」
「そうかそうか。鈴木さんやさしいからな。本命の俺以外にも、モテなさそうな奴に配ってあげたのかな」
「ちょっとその本命チョコみせてくれよ」
「はい」
「これ俺と同じ義理チョコじゃねーかよ」
「マジで。チロルチョコじゃないからてっきり本命かと」
「ブラックサンダ―だって十分義理チョコだよ」
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